家の購入は、人生でもっとも大きな買い物のひとつです。だからこそ、どのくらいの費用がかかるのかを把握することは、家づくりを進めるうえで欠かせません。その目安としてよく使われるのが「坪単価」です。建物の広さ1坪あたりにかかる建築費を示すもので、工務店ごとの価格帯を比較する指標にもなります。
ただし、坪単価は一見わかりやすいようでいて、数字だけを鵜呑みにすると思わぬズレが生じることもあります。家づくり全体を見渡すには、もう一歩踏み込んだ見方が必要です。
この記事では、2025年時点における滋賀県の坪単価相場をはじめ、予算を正しく読み解くためのポイントや、費用を抑えるコツ、工務店選びの視点までをわかりやすく解説していきます。
坪単価は、建物の広さに対してどれくらいの費用がかかるかを示す指標ですが、単に「1坪あたりの価格」というだけではありません。そこには、その工務店がどのような仕様や素材を標準としているか、どれだけの品質や性能にこだわっているかといった要素も反映されています。つまり坪単価は、コストの目安であると同時に、建物の中身や設計思想が表れる“ひとつの物差し”でもあるのです。
そのため、坪単価は、地域や施工会社によって大きく異なります。ここでは、全国と滋賀における2025年時点の坪単価相場を紹介するとともに、エリアや施工会社によって価格差が出る理由についても解説していきます。
2024年時点における木造住宅の全国平均坪単価は、おおよそ71万円前後とされています。都道府県別に見ると、長野や島根などが80万円台である一方、大阪や埼玉では60万円台前半と地域差が大きく、滋賀はその中間に位置し、平均は68〜70万円前後と推定されます。
ただし、この「坪単価」は単に面積あたりの価格を示すだけではありません。採用している断熱性能や構造、内装のグレードなど、その家に込められた仕様や工務店のこだわりが反映される数字でもあります。
おおまかに見ると、60万円未満はローコスト志向、70万円台は自由度と価格のバランス型、80万円以上になるとデザイン性や性能にこだわる中〜大手メーカーが多く、100万円を超えると高級志向のハイグレード住宅が中心です。価格だけにとらわれず、「なぜその単価なのか」を読み解く視点が重要です。
滋賀県内でも坪単価に差が出る背景には、エリアごとの地価の違いや、施工会社の方針によるコスト構成の差があります。たとえば大津市や草津市など都市部では地価が比較的高く、同じような建物仕様であっても、諸経費や人件費、資材の運搬コストなどが割高になる傾向があります。
また、工務店によって標準仕様とされる内容も異なります。断熱性能や耐震構造、仕上げ材のグレードなど、何をどこまで含むかによって、見かけ上の坪単価に開きが出るのは自然なことです。さらに、設計の自由度が高く間取りが複雑になると、施工工数が増え単価が上昇しやすくなります。
このように、坪単価はあくまで“目安”であり、その中に含まれる仕様や設計条件、施工体制によって意味合いは大きく変わります。滋賀県内で工務店を比較する際は、数字の大小だけで判断せず、建築予定地や仕様の内容、見積もりに含まれる範囲までしっかり確認することが大切です。
坪単価は建物の広さに対する価格を示すだけでなく、仕様や設計の方針、見積もりの内容など、さまざまな要素を含んだ数字です。そのため、単に「安い・高い」と金額だけで比較してしまうと、あとから想定外の費用がかかっったり、思っていたような家にならず後悔することになりかねません。
ここでは、本体価格以外にかかる費用の種類や、間取りによる単価の変動、見積書の読み方で注意すべきポイントなど、つまずきやすい落とし穴をわかりやすく整理していきます。
坪単価に含まれているのは、一般的に「建物本体の工事費」だけです。ですが実際には、外構工事、地盤改良、屋外給排水、照明・カーテンなど、家づくりにはさまざまな追加費用が発生します。これらは坪単価に含まれていないことが多く、知らずに進めると予算が大きくふくらむ原因になります。
とくに「庭にウッドデッキをつけたい」「駐車場をコンクリートにしたい」など、希望が具体的にある場合は注意が必要です。坪単価ではカバーされない範囲が広くなるため、あとから追加費用が膨らみやすくなります。比較検討の段階では、各社の坪単価にどこまでの内容が含まれているかをあらかじめ確認しておくと安心です。最終的に見積もりをもらう際には、項目ごとの内訳も見ておきましょう。
坪単価は「延床面積」で割り出されるのが一般的ですが、建物の形状や間取りによって、この単価は大きく変動します。たとえば総2階建てのように上下の面積がそろったシンプルな構造は、コスト効率が良いため坪単価を抑えやすい傾向があります。
一方で、1階部分が広く2階が小さい平屋やL字型などは、基礎や屋根の面積が増えるぶん、施工コストが上がり、坪単価も高くなりがちです。また部屋数が多く、間仕切りや水まわりの設備が複数ある間取りも、単価に影響します。
このように、同じ広さの家でも設計によって坪単価に差が出るため、価格だけでなく「どんな間取りを希望しているか」「形状がシンプルか複雑か」といった視点で比較することが重要です。気になる工務店がある場合は、おおまかな要望を伝えたうえで、その条件での概算坪単価を尋ねてみると、より現実的な比較がしやすくなります。
坪単価を比較する際に見落とされがちなのが、見積書の書き方や内訳の表現です。工務店によっては「本体工事費」として大まかにまとめてある場合もあれば、「基礎工事」「屋根工事」「内装仕上げ」など細かく分けて記載されている場合もあります。
この違いによって、同じ坪単価でも、含まれている内容や費用の透明度に差が生まれます。特に「一式」や「○○含む」など曖昧な表記が多い場合は、あとから別途費用が発生する可能性があるため注意が必要です。
検討段階では、各社の資料や施工事例ページなどで「見積もりサンプル」や「標準仕様一覧」が見られるケースもあります。そういった情報が公開されているかを確認し、できるだけ「どの工事が含まれていて、何が別扱いなのか」がわかる会社を選ぶと安心です。見積もりを依頼する際も、「〇〇はこの金額に入っていますか?」とひとつずつ確認しておくと、後悔のない比較ができます。
スムースでは、建築本体だけでなく外構・照明・収納・庭とのつながりまで含めて、最初から一体で設計・見積もりをご提案しています。たとえば「軒下空間」や「庭との視線設計」、「光や風の通り道」など、見た目の間取り図では伝わらない快適性や暮らしやすさまで計算して設計に反映しています。
坪単価の表記だけでは見えない部分も、最初から丁寧にヒアリングし、暮らし方に合わせた最適なプランをご提案します。見積書も各工事内容を明確に記載し、何が含まれていて何が別途かを事前に確認できるから、想定外の追加費用に悩まされる心配もありません。仕様の数字だけでは測れない「暮らし心地」まで視野に入れた家づくりを、私たちと一緒にかたちにしていきましょう。
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坪単価の情報を上手に活かすには、単にその金額が高い・安いというだけで工務店を比べても意味がありません。数字だけにとらわれた探し方では、自分たちの希望に合った家づくりができる相手を見つけにくくなります。費用を抑えるには、土地や間取り、設備の考え方など、さまざまな視点から柔軟に検討することが大切です。
ここでは、滋賀で坪単価を上手に活かしつつ、納得できる価格で家を建てるための工夫や見直しポイントを紹介していきます。
土地の価格はエリアによって大きく異なり、家づくり全体の予算に直結します。そのため「どの地域が高く、どこが比較的安いのか」をあらかじめ把握しておくことは、無理のない資金計画につながります。そこで活用したいのが「地価マップ」です。
国土交通省や滋賀県の地価調査に基づいたマップは、インターネット上で誰でも閲覧できます。たとえば「全国地価マップ」「土地代データ」などのサービスでは、市区町村ごとの住宅地価格が地点ごとに色分けされ、滋賀県内でも大津市は高め、甲賀市や高島市などは比較的低めといった傾向を確認できます。
見極める際は、地価だけでなく駅からの距離や周辺施設、将来的な開発予定なども視野に入れることが大切です。土地のコストを抑えることで、建物の仕様や間取りにより多くの予算を振り向けられる可能性があります。
家づくりにかかるコストのうち、設備や内装の選び方によって坪単価は大きく変わります。ただし、すべてを高グレードにする必要はなく、暮らし方に合わせてこだわる部分とそうでない部分を分けることで、費用を抑えることができます。とはいえ、どこに費用をかけるべきかを自分で判断するのは難しいものです。
そのため、工務店に相談する際には、「断熱や耐震はどの程度が標準仕様か」「水まわりを標準で選んだ場合とグレードアップした場合の差額は?」など、項目ごとに質問してみるのがおすすめです。
また、事前に「デザインは○○だけこだわりたい」「室内干しスペースは絶対必要」など、自分たちの優先順位を整理しておくと、工務店側も費用配分の提案がしやすくなります。結果的に、納得感のある坪単価に近づけることができます。
工務店を比較する際、坪単価は重要な判断材料のひとつですが、それだけで決めてしまうのはリスクがあります。なぜなら、坪単価には仕様や保証内容、アフターサポートの体制などが反映されていないからです。
たとえば同じ70万円/坪でも、ある会社は断熱性能や保証が充実しているのに対し、別の会社ではグレードが低く、保証も最小限という場合があります。単価の数字だけでは、こうした違いが見えてきません。
比較する際は、「どこまでの内容が含まれているか」「標準設備の質」「工事後の対応」なども合わせて確認することが大切です。気になる工務店があれば、パンフレットや資料を見ながら情報を一覧にまとめて、単価と合わせて比較してみましょう。
関連記事:GX志向型住宅とは?補助金の条件・申請方法・必要な設備までわかりやすく解説
どの工務店が高いか安いかを比べる前に、まずは家づくり全体でどれだけ使えるのか、土地と建物にどう配分するのかを整理しておくことが大切です。ここが曖昧なまま進めてしまうと、思わぬ場所でコストが膨らみ、後悔につながるケースもあります。ここでは、総予算の考え方を軸に、土地選びの視点や建物以外にかかる費用まで、全体を見渡すための基本を紹介します。
家づくりを始めるにあたって、まず整理しておきたいのが「総予算」です。建物価格だけでなく、土地代、諸費用、税金、外構工事、引っ越し費用まで含めて、全体でどれくらいの資金が必要かをあらかじめ把握しておくことで、無理のない計画が立てられます。予算を考える際は、まず金融機関の事前審査などで「借りられる金額」と「毎月返せる金額」の両方を確認し、その範囲内で土地と建物にいくらずつ配分するかを検討します。
よくある失敗は、先に気に入った土地を購入してしまい、建物にかける予算が足りなくなるパターンです。逆に建物の希望を優先しすぎて、土地が見つからなくなることもあります。だからこそ、総額を決めたうえで「土地:建物=おおよそ〇:〇」という予算の目安をもって動くことが、家づくり全体のバランスを保つうえで重要です。
土地の価格は家づくりにおいて重要な要素ですが「地価が安いから」という理由だけで選んでしまうと、後悔につながるケースもあります。価格が安いということは、利便性や将来的な資産価値において何らかの理由があることが多いためです。たとえば、駅から遠い、周囲に買い物施設が少ない、地盤が弱い、条例で建築に制限があるといった条件が隠れている場合もあります。
見た目の価格だけで判断せず、「その土地でどんな暮らしができるか」という視点で見ていくことが大切です。また、土地代が安くても、造成費や地盤改良費が高額になることで結果的に総費用がかさむこともあります。予算を抑えるつもりが、想定以上にコストがかかる例は少なくありません。
地価だけにとらわれず、周辺環境、生活のしやすさ、建築条件の有無などを含めて総合的に判断することで、価格と暮らしのバランスが取れた土地選びができるようになります。
家づくりにかかる費用は、土地と建物だけではありません。登記費用やローン手数料、火災保険、地盤改良、外構、引っ越しなど、さまざまな「諸費用」が発生します。これらを最初にきちんと把握しておかないと、想定外の出費で予算が圧迫されることになりかねません。
そのため、資金計画を立てる際は、「土地・建物・諸費用」の3つをまとめて一体で見積もることが大切です。建物だけの坪単価で検討を進めてしまうと、あとから諸費用が積み重なり、全体像が大きくズレてしまうことがあります。
工務店や住宅会社に相談する際には、「諸費用も含めた総額の見積もりはどのくらいか」「土地が決まっていない段階で何を押さえておくべきか」を早い段階で確認しておくと安心です。
注文住宅は自由度が高いぶん、希望をすべて反映してもらうことが正解だと考えがちですが、実際にはそれが逆効果になることもあります。動線が使いづらくなったり、メンテナンスしにくい間取りになったりと、住みにくさの原因になるケースも少なくありません。
だからこそ、本当に信頼できる工務店は、言われた通りに作るのではなく、暮らし方や目的まで汲み取ったうえで「それは本当に必要か」を一緒に考えてくれます。要望を否定しているのではなく、より良い住まいを実現するために提案してくれる姿勢こそが、安心して任せられるパートナーの証であることを理解しておきましょう。
坪単価や予算の考え方について見てきましたが、理想の家を形にするうえで最も重要なのが「どの工務店に依頼するか」です。自分たちの希望や暮らし方に合っていない工務店を選んでしまうと、どれだけ良いプランでも、満足のいく家にはなりません。
ここでは、坪単価などの条件からある程度のイメージが固まってきた段階で「どのような工務店なら安心して任せられるか」を見極めるためのポイントを紹介していきます。
家づくりでは、どうしても価格の安さに目が向きがちですが、長く住み続けることを考えると、「提案力」や「過去の実績」のほうが重要です。要望をただ形にするのではなく、暮らし方や将来を見据えて提案してくれるかどうかが、住み心地を大きく左右します。
たとえば良い工務店であれば、「この収納は将来的に動線が悪くなるかもしれません」「メンテナンスコストを抑えるなら外壁は別の素材も検討できますよ」など、希望に対して理由を添えて提案してくれます。一方、経験の浅い業者は、要望をそのまま図面に反映するだけで、後から使いにくさが出るケースもあります。
見学会や施工事例をチェックし「なぜその設計になったのか」という説明がある工務店かどうかを確認すると、提案力の差が見えてきます。
工務店を選ぶうえで見落としがちなのが、「その会社が地元での施工経験をどれだけ持っているか」という点です。地域の気候や地盤、法規制、風土などに詳しいかどうかは、住まいの快適性や耐久性に大きく影響します。
たとえば、滋賀県内でも雪が積もりやすい地域や湿気が多い場所では、それに対応した断熱・換気・構造の工夫が必要です。地元での経験が豊富な工務店であれば、そうした条件を踏まえたうえで間取りや設備を提案してくれます。一方、全国展開のハウスメーカーや、最近進出してきたばかりの業者では、地域特有の事情を十分に考慮できていないこともあります。
見極める際は、施工事例の住所やエリアを確認したり、「この地域で家を建てたことはありますか?」「地盤や気候面で注意すべきことは?」といった質問をしてみると、対応力の違いが見えてきます。
家づくりは長い時間をかけて進めるプロジェクトだからこそ、「相談しやすいかどうか」は信頼できる工務店かを見極めるうえで大きな判断材料になります。細かな要望や不安を気軽に話せない相手では、後々のトラブルやストレスにつながることもあります。
たとえば、良い工務店であれば、質問に対して丁寧に説明し、希望に対してもメリット・デメリットをきちんと伝えたうえで提案してくれます。一方で、話をはぐらかしたり、こちらの言葉を聞き流すような対応がある場合は注意が必要です。
初回相談の段階でも「話を遮らないか」「こちらの質問に的確に答えてくれるか」「要望を否定せず、整理しながら受け止めてくれるか」といったやり取りの姿勢を見ることで、その会社の姿勢がある程度わかります。価格や実績だけでなく、「この人になら話せる」と思えるかどうかも、工務店選びの大切なポイントです。
関連記事:失敗しない工務店の選び方|滋賀で家を建てる人が知っておくべき7つのポイントと選定ステップ
滋賀県の直近の坪単価は、平均で68〜70万円前後とされ、エリアや施工会社の方針によって差が出るのが特徴です。ただし、この数字には本体工事のみが含まれていることが多く、間取りや仕様によって実際の総額は大きく変動します。こうした点を理解したうえで坪単価を上手に活用するには、地価マップを使った土地探しや、設備・デザインの優先順位を整理する工夫が欠かせません。
あわせて、土地代を含めた総予算の配分や諸費用までを一体で把握することも大切です。そして何より、理想の住まいを実現するには、信頼できる工務店との出会いが欠かせません。実績や提案力、相談のしやすさなどを見極めながら、自分たちに合ったパートナーを選びましょう。工務店と坪単価、どちらの視点も大切にして、理想の家づくりを実現しましょう。
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