NEW 家族が畳リビングに集う大屋根の家
滋賀県守山市   
注文住宅、新築

なかなか土地が出ない地域で出会えた、細長い敷地。設計者としての経験が問われる条件の中、大屋根を象徴とする伸びやかな構えが、この住まいの輪郭をつくっています。中心には、家族が自然と集う畳のリビング。無垢のタモ材の床や、造作のソファ・家具など、素材一つひとつにこだわりを込め、落ち着きと心地よさを大切にしました。
大好きな奥様と娘さんと共に、理想を追い続けた三年余りの家づくり。この家は、家族の時間が畳の上に重なり、これからも静かに暮らしを育んでいく、大屋根の住まいです。
物件概要
- 所在地
- 滋賀県守山市
- 敷地面積
- 133.2㎡(40.3坪)
- 延床面積
- 77㎡(23.3坪)



細長い敷地条件を踏まえ、建物全体を包み込むように大屋根を架け、住まいの軸としました。屋根形状により内部には伸びやかな空間ボリュームを確保しつつ、外観としても象徴性のある構えを形成しています。
外部は左官壁と木格子を組み合わせ、周囲の街並みとの調和と視線制御を両立。アプローチには軒の深さと素材の切り替えによる「間」を設け、外から内へと意識が緩やかに切り替わる構成としています。敷地特性と暮らしの在り方を丁寧に読み取り、経験と設計力が求められる計画としました。




住まいの中心に畳リビングを据え、床座の視点から空間を再構成しました。勾配天井の羽目板材が大屋根を連想させて室内の空間にゆとりをもたせ、障子を通した採光が均質な明るさをもたらします。造作ソファや低い家具により視線を抑え、家族が自然と集うための居場所を成立させています。





毎日立つキッチンだからこそ、既製品ではなく、手に触れる質感や佇まいまで丁寧に整えました。天板の高さ、引き出しの場所、造作建具越しに差し込むやわらかな光。料理をしながら、畳リビングで過ごす家族の気配を感じられる距離感も大切にしています。器や道具が自然と馴染む造作収納は、暮らしの積み重ねを受け止める場所。家事の時間が作業ではなく、静かに心が整うひとときになるよう、想いを重ねた空間です。





深く張り出した軒の下、縁側に腰掛けて季節の移ろいを眺める時間。自然にものに触れるたびにやさしい温もりを伝え、暮らしの輪郭を静かに整えてくれます。建具に選んだガラスから差し込む光、外灯の柔らかな陰影、木目を生かした家具の表情。そのひとつひとつに理由があり、夫婦が好きな素材を選び重ねた先に、家族の何気ない日常が育まれていきます。住まいは完成した瞬間から、ゆっくりと「暮らし」へと変わっていく。その過程を大切にした一邸です。

