珪藻土の話。
1.漆喰(しっくい)と珪藻土(けいそうど)の違い?
2.産地によって調湿の効果が変わる?
3.口に入っても大丈夫。暮らしの中で、自分で直せる安心。
1・2は素材についての情報です。3が実はお伝えしたいことです。
【1.漆喰と珪藻土の違い】
自然素材の内装材としてよく耳にするのが漆喰と珪藻土。
スムースの家でも珪藻土を採用しています。
そもそも漆喰と珪藻土ってどう違うのでしょう?
漆喰・・・時間がたつほど固くなり、調湿機能はありません。殺菌効果があります。
珪藻土・・・調湿効果があり、固まりません。
簡単に言うとこんな感じです。全然違うのですね。では、スムースの作る木造の家(在来軸組工法という建て方)にはどちらがいいのでしょうか。
こたえは珪藻土です。昔ながらの土壁はボロボロ崩れたり、虫がわいたりするのを固く殺菌効果のある漆喰が補っていたのですが、私たちが作っている家は腐らない構造材を使い、風の通り道をつくって換気し、壁の下地は不燃ボードを貼っているのでその必要はありません。
木は生きているので伸縮し、四季のある日本では特に建ててから2年ほどは家全体が動きます。
その動きに柔軟に対応してくれるのが、固まらない珪藻土なのです。
【2.産地によって調湿の効果が変わる?】一番快適な湿度40~70%の空間を保つこと。
珪藻土の特徴、調湿機能。調湿とはつまり、部屋の湿度を素材が調整してくれるということですね。
どうやって?
珪藻土は微生物の化石の堆積岩ですが、目に見えない小さな穴がたくさんあいていて、その穴を空気中の湿気が出入りすることで室内の湿度をコントロールしてくれます。私たちが採用している湯布珪藻土「はつらつの土」に含まれる北海道産の珪藻土はちょうどよい穴のサイズで、部屋の湿度が50%以上になると吸いはじめ、50%以下になるとはき出しはじめるので、人が過ごすのに快適な湿度40~70%の空間を保とうとしてくれるわけです。
実際に洗面所に珪藻土を施工させて頂いたお家の奥様から雨の日に室内干ししても乾きがよくてニオイがしない!という声も。寝室の壁一面だけでも塗っておくと加湿器いらず。梅雨~夏はからっと、冬に美味しいお鍋の湯気でも結露しにくい。じめじめした日は生ごみのにおいが気になるように、湿度が高いとニオイも感じやすくなりますが、湿度がコントロールされているとニオイが消えたわけではないのに気にならなくなります。
日常のシーンにつなげるとイメージしやすいかもしれませんね。
デメリットは2つ。
1.土なので、服で壁をこすると服に白っぽい粉がつきます。
はたいて落ちる程度ですが、例えばクローゼットは天井だけ塗るなどの工夫をご提案しています。
2.下地の施工の精度がそのまま仕上がりに影響します。大工さんに丁寧に施工してもらいましょう。
なるべくひび割れしにくい下地の貼り方をするなど、見えない部分こそ大事です。
【3.口に入っても大丈夫。暮らしの中で自分で直せる安心。】
ここまでは調べればわかること。私が珪藻土っていいなぁ、と思う理由はもうひとつあります。
人や環境に優しく安心で、自分で扱えること。
せっかく家を建てて新しい暮らしがはじまっても、子供が走り回って壁に傷を・・!あー、クレヨンで・・!とイライラしながら過ごすなんて残念。この「はつらつの土」は接着剤などよけいなものを混ぜていないので、珪藻土の穴をふさぐことなく素材本来のよさを活かすだけでなく、人体にも安全。私もなめてみました。資源の量は、「100年使っても珪藻土の山ひとつの形がちょっとだけ変わるくらい」、あるそうです。
水と混ぜて練るだけで素人でも扱いやすいので自分で塗ることができます。
豪快に落書きした。家具をぶつけた。ペットがおしっこした。
そんな時、わざわざ業者をよばなくても自分達で直せると気持ちもおおらかに暮らせるのでは。
自分の手で直したという小さな誇りは世代を問わず、同じですよね。
豊かさって目に見えるものだけではなくて、
家に触れ、体を動かして暮らしを実感することではないかと思います。
自分でまかなえることの喜びを知ることができ、家にその痕跡を残して、家族の記憶にそのかけらが残る。
日々の暮らしのなかにそんなきっかけをつくるお手伝いができたらな、と思っています。
湯布珪藻土はつらつの土HP
http://www.yufu-keisoudo.jp/動画がわかりやすいです。
スムースでも、サンプルを使って調湿やニオイとりの様子を実際に見て頂くことができます。