オヤジ。
オーナーさんなら、よくご存じなのが僕のオヤジなる「坂本さん」。
スムースのスタッフの中でもオヤジなる存在です。なぜならば、建築のことなら何でも知識があり、何でも対応できるからです。
そして、何より親身にしてくれる。オヤジと言っても血は繋がっておらず、母とのご縁で高校生ぐらいから育ててくれました。建築の道に進んだのもオヤジの影響です。
若い時はお互い、色々とありましたが(これは完成した、らしさブックに載ってあります。ぜひ、ご覧ください。)まさか、20年前に自分が会社を起こし、オヤジが創業当時から僕を支えてくれることになるとは思いませんでした。
今となってはオヤジが居なかったら、今のスムースは無かったと言っても過言ではありません。ホームページのトップ動画に上がってくるカッコいい職人はまさにオヤジさんです。
長崎の平戸出身で貧しい家庭に生まれ、子供のころは畑で取れた芋しか食べられなかったそうです。今では全く、芋は食べません。
10代の頃、多少の大工の経験だけ持って無一文で京都に来たそうです。それから20代で工務店を起ち上げ、大きな京都のゼネコン会社の下請けと、様々な住宅や店舗、内装工事、家具工事など手掛けてきました。
社員大工も多い時で10名弱ほど居たそうです。50代まで突っ走りましたが、人の好いオヤジは断れない性格から結局、支払いがもらえない元請顧客が重なり廃業しました。僕もその時は26歳でした。
その時の悔しい思いは今でも鮮明に覚えています。生みのオヤジも廃業しているので、二人の父の思いは僕の根底にあります。その5年後に自分が会社を作り、オヤジと二人三脚でスムースを築いて来られたのは、もしかしたらその時の悔しい思いがあったからかもしれません。
オヤジは僕から見たら、スーパーマンです。
本当に何でも出来るし、何でも知っています。もう75歳なので物忘れが多くなってきましたが、今でも現場でバリバリやっていて見た目はずーーと若いです。
今では、二つの業務を任せています。ひとつはリノベーションです。表だけ綺麗にするだけのリノベではなく、耐震や断熱を大事に考えているのでオヤジの経験は欠かせません。今年も大きなリノベーションを3件担当し、お客様から絶大な信頼を得ています。人柄で好かれているのもあります。
小さなリフォームをやってもらっていますが、もうひとつの大きな業務は家具と建具の製作です。スムースは栗東に大きな工房を持っています。滋賀の工務店、注文住宅会社でここまで本格的に家具と建具を作れる機械と技術を持っているところは無いと思っています。
造作キッチン、食器棚、テレビボードなどの家具の自社製作です。滋賀での造作家具、造作建具なら任せてください。そんな思いです。



建具も渾身のメイン建具はオヤジに製作してもらっています。繊細な縦格子建具や、近江上布を使った建具もそうです。吉村障子も作ってもらっています。



そうそう、忘れていました。ダイニングテーブルも製作してもらっています。丸テーブルや足のデザインから、たわみも検討し、ここでも経験が生きています。



なので、スーパーマンです。専属の大工衆もオヤジに絶大なる信頼を寄せています。納まりについて、よく議論しています。お酒が入ったときはかなりヒートアップしていますが、、普段、人を褒めないオヤジでもお酒を飲んだら、僕の事を褒めてくれます。
僕自身、普段から褒められるということが無いので、スーパーマンに褒められると心穏やかになります。いつまでも健康でいてほしいと願うばかりです。オヤジとオカンは美味しいものと旅行が好きなので、なるべく機会を作って一緒に行動したいと思っています。まだまだ、二人三脚は続きます。
この技術と環境を今の大工衆に引き継いでいくことが、来年の方針のひとつでもあります。スムースがこれから進むステージとして新たな時代に入ってきてるなと切に感じます。

(ichikawa)