家のカタチができるまで

- 家づくりのこと

こんにちは、設計の奥です。
米原で建築中だった家が完成し、11月の間、完成見学会をさせていただいています。

家の完成までは、出会ってから少なくても1年はかかりますが、現在見学会をさせていただいている米原の家のご家族と出会ったのはもう3年も前になります。

土地の検討を重ね、打合せを始めたのは2年前。そこからたくさん一緒に悩んで、考えて家づくりをしてきました。

今回は私たちがどんな風に打合せをして、家づくりをしてきたかをご紹介します。
家づくりを考えておられるご家族に、これから待っているワクワクを少しでも感じてもらえたらと思います。

 

1. 家づくりのスタート【土地探し】

こんな間取りにしてみたいな、こんな素材を使ってみたいな、こんな庭を造りたいな、家づくりを考えだしたら、雑誌を見たり、事例集をみたりとやりたいことがたくさん出てきます。

でも、土地が決まらないことには前に進めません。家の間取りは土地とセットで考えます。その土地から見えるもの、見たいもの、隠したいもの、お日さまの位置、隣の家の窓、その土地の持つ性格とご家族の要望が合わさって、はじめて家族にとってのたった一つの家づくりがはじまります。

今回の米原の家の前に広がるのは田園風景、そしてその奥に琵琶湖。方位は西面。西面に開いて贅沢な景色を家の中に取り込むご提案をしました。

刈り取りが済んでしまいましたが、水張りの時期、稲穂が緑のじゅうたんになる時期、季節ごとにたくさんの表情をみせてくれます。

そして、天気のいい日には家からこんな夕焼けが望めます。この土地に決まった時点で、こちらの方向にひらいて景色を取り込むことは決まります。

 

2. 家族の想いを聞く【ヒヤリング】

土地が決まれば私たちはまず、家族の一日の過ごし方をヒヤリングをします。

朝起きて寝るまで家族がどんな風に過ごしているのか。朝ごはんはみんなで食べるのか、洗濯はいつするのか、誰が片付けるのか、出勤時はどんな服装で出掛けるのか。家族によって様々で、ご夫婦同士も意外と昼間のお互いの行動は知らなかったりするものです。

そして、これからの暮らしでどんなことがしたいのか、どんな時間が大切なのか、どんなことを優先したいのかなど、部屋の大きさやご希望の配置ではなく、暮らし方についてお聞きします。

 

それらが合わさってご家族にとっての間取りを考えていきます。

米原の家では、家族が家に帰ってから洗面を通って着替えるというまでの動線を大切に。

キッチンから見える家族の様子、そして庭の様子、広がる空、そしてキッチンにいながら洗濯動線をスムーズに。水回りの配置には特に時間をかけて検討しました。

1階にはこだわりのWCL、2階には夫婦で夜ゆっくり読書できるカフェスペース。

間取りも打合せをしながら、最終のカタチへと変化していきます。

 

3. 造作や素材を決める【打合せ】

間取りがきまれば、細かな打合せをしていきます。
家具の打ち合わせでは、どんなものをどこに置くか考えながらひとつずつ決めていきます。ここはどれだけ細かく考えておくかで、暮らしてからの使い勝手が変わります。

こちらはお客様が何をどこに置くか考えてくださったイラスト!!

一つ一つどこに何を置くかを丁寧に考えて決めた内容をを図面に起こしていきます。

仕上げや内部の仕様についてもイラストで出来上がりを創造しながら、イメージを共有して進めていきます。時には打合せ途中で新しい発想が生まれてくることも。

米原の家では、畳のスペースを小上がりにするか、小下がりにするか、フラットにするかたくさん悩みました。

最終の仕上がりはこちら。

一段下げて落ち着くスペースに。下げたことによって階段下を使って子どもたちの楽しいスペースを作ろうということになりました。こちらからご提案することもありますが、一緒に悩んで考えるからこそできあがるものもたくさんあります。

 

4. つくる過程も楽しむ【工事スタート】

仕様もすべて決まれば工事着工。

一生に一度の家づくり。作る過程の時間もたくさん共有できればと思っています。

工事中に現場を見てもらうことはもちろん、米原の家では、キッチン後ろの壁を家族で塗りました。色を決める過程は楽しくも悩ましく、でも出来上がった色は家族にとってのお気に入りの色になりました。

基礎には手形もつけました。子どもたちの記憶にもしっかり刻まれていたらうれしいです。

植栽も広大な園材屋さんに一緒に行ってひとつずつ選んでもらったり、その他にも床に蜜蝋ワックスを一緒にかけてもらったり、つくる過程も楽しんでもらいます。

そうして完成した家。ひとつひとつ悩んだからこそ生まれてくる大切な想いが、暮らしてから家族の成長とともにたくさんの愛着へとつながっていくと思います。

そこにはゼロから作っていく家づくりだからこその魅力があります。

 

米原の家もとても素敵に仕上がりましたので一部ご紹介。

玄関までの楽しいアプローチ。

こちらキッチン収納の完成。悩んで決めて家族で塗った壁と、物の配置をたくさん考えて出来上がった造作家具。

落ち着く小下がりと格子を通して差し込む西日の表情。

キッチンからの目線には、子どもたちの様子とその先には庭の様子。すぐ脇にはランドリースペースへとつながる入り口。

そして開けた開口部の先には、この土地を選んだからこその贅沢な景色が広がります。

 

これまでたくさんのご家族の家づくりに関わらせてもらいましたが、どの家にもそのご家族とだからこそできた家のカタチと魅力と愛着があります。

ぜひ見学会にお越しいただき、これからはじまる家づくりのワクワクを感じてもらえたらと思います。

 

完成見学会
「田んぼの風景と暮らす家」
2021年11月13日(土)・14日(日)・20日(土)21日(日)
※平日のご見学もご相談ください。
10:00~17:00 in 滋賀県米原市

↓ 見学会詳細はこちらから
https://sumus.jp/event/3953

 

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