外構のおはなし⑥/余談「花粉症の私が、スギを嫌いになれないワケ」
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いつも季節の彩を届けてくださるwatmooi 竹内さんのお花。スイトピーが届くと、もう春なんだなぁと、季節の変わり目にはっとします。
そして、春と言えば、花粉! 始まりましたね、つらい花粉症の季節。私も花粉症です。けれど、実は、私、スギのこと大好きです(笑)
今日は、その理由を少しだけ、お話したいと思います。
2年ほど前、岐阜県にある「21世紀の森」に行き、そこで巨大株杉に出会いました。
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株杉(かぶすぎ)はA型が一般的なのですが、何度も伐採が繰り返されるうちにB型・C型に移行していくようです。大きなものでは400年から500年の樹齢で、ものすごい存在感でした。
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そして、なによりも感動したのは、何度伐採されても、まっすぐに伸びるということ。
日の当たる場所を探して伸びる草木とはまた違い、ほんとに、ただひたすらまっすぐ、上に上に伸びるのだということ。
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だからこそ、柱や梁として採用され、家を支え、私たちの暮らしを支えてくれる樹なのだと改めて感じました。
それ以来、上棟の様子を見るたび、空に向かってまっすぐ柱が建つたび、「あぁ、またまっすぐ伸びるんだね」と森を思い出します。
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よく、「国産材の木の家が地球を守る」と言う話を聞きます。
スムースでも、柱や梁だけでなく、フロア材や造作家具材・ウッドデッキ材として、スギをたくさん採用しています。
立木伐採、原木搬出、製材、納材、植林、育林と、60年から70年のサイクルで動く日本の林業は、二酸化炭素の固定と吸収を行う唯一の産業と言われています。
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ご存じのとおり、植物は光合成することにより二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。二酸化炭素(CO2)が酸素(O2)になる。では、炭素(C)はどこへ行くのでしょう?
炭素は炭水化物などに変換され、幹や根・枝葉をつくり、植物体内に貯蔵されます。これが固定とよばれるものです。
もちろん、植物は光合成とともに呼吸もしているので、固定された炭素も一部は酸素と結合し、二酸化炭素として大気中に戻ります。けれど、固定された炭素が0になることはなく、植物が成長すればするほど、植物体内に炭素が固定(貯蔵)されていくこととなります。
この炭素は、いずれは、植物が土に還る過程で大気中に放出され、その後、新たな植物に吸収されて・・・と、ぐるぐると循環を繰り返すのですが、柱や梁などの建材になると、炭素が固定(貯蔵)されたまま都市部に来ることになります。
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そして、それらを使った家が、家族に愛され、永く住み継がれるほど、建材が土に還る日が遠ければ遠いほど、炭素循環のスピードが緩やかになり、その間に山間部では、植林、育林が行われ、次の世代のための森が育まれる・・・。
このように、家が建てられ、住み継がれ、解体されるまでのサイクルが、林業のサイクルと上手く合致したとき、はじめて、カーボンニュートラルな家づくりと言うことができるのではないでしょうか。
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先ほど、林業のサイクルは60年から70年と書きました。そう考えると、私たちの親が産まれた頃に植えられた杉で、家を建てさせてもらっている、といえます。そのころ林業をされていた方は、もう退職されているかもしれません。そして今から植えられる杉は、孫やひ孫の家に使われるのかもしれません。そう思うと、とても感慨深いものがあります。
先代の恵みを受けて暮らし、次世代へもつながっている。そんな大きな流れの中にいるという感覚。杉の森を見るたびに、そう思えてならないのです。だからこの季節、花粉症はとてもつらいのですが、知れば知るほど、杉のこと、嫌いになれない今日この頃なのです(笑)
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