セルロースファイバー

- 家づくりのこと

今日は理科系の小話をひとつ(笑)お付き合いください(*^^*)

スムースでは新聞紙を再利用した『セルロースファイバー』という断熱材をご提案しています。

先日、メーカーのウェビナーに参加させて頂いて新たな発見があったのでその報告をさせて頂きます。

セルロースファイバーの特色として一番に挙がるメリットとして調湿性能が高いということがあります。

これはウェビナーの中で「熱容量」という理科の言葉をもじって「湿容量」とも話しをされていました。

断熱を考えるときに注意しないといけないことがあって、それは「壁体内結露」です。例えば冬場の室内の暖かい湿り空気が、壁の中を伝って外に抜けていく過程で露点温度に達して壁の中で結露を起こすという現象です。

結露水がカビや腐朽菌を呼び、繁殖してしまいます。特に腐朽菌は木材のセルロースという成分を溶かして構造体の強度を損なうという見過ごせない問題があります。

1970年代に「断熱」という考えが広まったときに「ナミダダケ事件」と呼ばれる大きな社会問題になりました。家の中にキノコが生えたり、床が抜け落ちるという事態が相次ぎました。

そこから対策として「断熱」とセットで「防湿」を考えるように推移していきます。

今日でもほとんどの家づくりでは「断熱材の室内側に防湿層を取る」ということで短絡的に思考を停めてしまう向きが多いです。しかし、室内の空気環境を拘ったときに行きつくのは湿度です。

機械的にそれをコントロールもできますが、賢く設計すれば材料の性質で自動的に湿気を吸放出してくれて空気環境の改善のフォローをしてくれます。

セルロースファイバーの持つ「湿容量」は快適性と健康と構造の劣化対策としても有効だと改めて感じました。

今ではコンピューターの発達で非定常計算という高度な解析が可能となりました。

過去の気象データを用いながら、材料の持つ「湿容量」も加味して壁体内で結露が発生するかどうかがすぐに解析をすることが可能です。

また昨今の温暖化によって、夏の猛暑時に屋内の冷房を効かすことによる「夏型結露」という問題が散見されます。

「夏型結露」では前出の従来の「断熱材の室内側に防湿層を取る」という方法では全く対応することができません。断熱材に「湿容量」を持たせるという考え方は上記の問題に対しても非常に有効です。

ウェビナーを聞き終えて、セルロースファイバーに対する信頼が一層深まりました。

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