師匠

- 社長ブログ

ぼくは地球の会という全国の工務店の団体に所属しています。この会に出会って、会社の方向性がガラッと変わりました(地球の会ホームページ)

10年ほど前にデンマークとスウェーデンに行ったときに、暮らしというものの豊かさに触れ、衝撃を受けたとブログでも何度かお伝えさせて頂きましたが、その後に出会えたのがこの会でした。この会は日本の森を守るという理念を持っていて、国産材を使って、自然素材やパッシブデザインを採用し、人にも地球にも、日本にも健康にしていこうという使命があります。

今ではそこの理事もさせてもらっていて、地球の会の理念のもと、そこにいる全国のメンバーのお仲間たちから大きな刺激を受けています。この会のリーダー的存在で、運営されている佐藤善秀さんが事務局長をされているのですが、今のスムースの考え方にも大きな影響を与えて下さった方です。そして、あの「らしさブック」を作って下さった方です。オーナーさんもインタビューで訪れたこともあるのでご存知の方も多いと思います。パートナーや職人さんもスムースの中でも講演もしてもらったのでほとんどの方が知っています。

佐藤さんの口癖は「市川君、あんたの所で家を建てたら、お客様は何が得られるんや?」です。何度も同じ問いを今まで受けてきました。初めてお会いした時は、このおっちゃん、何を言ってるんや?と疑問に思ったことを思い出します。そのうち、ちゃんと考えるようになって、色々と会うたびに答えるのですが、不服そうにわかってないな、、こいつという顔をされました。

木の温もり

健康

家族の幸せ

穏やかな空間

丁寧な暮らし

何でもない安心な日々

毎回毎回、考えて違う答えを伝えてきましたが、ダメでした。。。

 

らしさブックを作ってほしいと何度もお願いしましたが、この答えが明確になるまでは無理だなとおっしゃっていました。らしさブックを快諾頂いたのは、その5年後になります。毎月1、2回は必ずお会いしていて、僕の師匠的な存在で、穏やかも厳しく、本音で違うことは違う、おかしいと感じたことはすぐ伝えてくれる。そんな、苦言を言ってくれる人は中々いないので、僕には大切な方で尊敬していました。

 

しかし、11月2日に佐藤さんは急に居なくなってしまいました。

 

10月末にも一緒に食事もしていたのに。。

大好きな山で、趣味である炭焼きを毎年同じように、今回も同じ場所に行かれていました。そこで倒られたということです。オカンと一緒の歳なので76歳です。ほんと、あんなに元気で、よく食べられ、よく飲んで、活動も活発にされていたのに。。

 

ご冥福をお祈りいたします。いまだに信じられません。悲しすぎます。今月もまた、声が掛かってご飯一緒に行こう!と声が聞こえてきそうです。

僕は、ふるさとを作っていきたい。僕にできることは、一人一人、何を大切にしてきたか、その方のルーツが何のか、そこに寄り添い、ふるさととなる居場所を作ることが自分のやるべきことです。そして、家を通して、家族の絆を感じることを作りたい。自分の今までの人生の辛い経験があったからこそ、僕はそこに気づけました。

佐藤さんはこう言いました。

「市川君は家族を守りたかったんだね。母を守りたかったんだね。」と。

不思議と涙がこぼれてきました。これが、らしさブックの制作にオッケーが出た瞬間でした。

事業をするのは、ストーリーがいる。そこには歴史があって、使命がある。

地域を守る者

森を守る者

家族を守る者

そこに想いがあって、そこに何のためにやっているのかの答えがある。だから、君がやっている家づくりは、何が得られるのか?と聞いたのだと。

「市川君、これから君がやっていくことは、何の価値を伝えれるんや?お客様は何が得られるんや?」

ずっと、自分にこの問いを続けながら、これからも精進していきます。佐藤さん、本当にありがとうございました。今の僕とスムースがあるのは、師匠のおかげです。

ICHIKAWA

 

滋賀県の注文住宅、工務店(草津市・大津市・守山市・栗東市・近江八幡市・湖南市中心)

木の家・自然住宅をお届けする「株式会社スムース」

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