経営方針発表会。
ふるさとを、未来へ。
6月30日。
この日は、スムースにとって一年の終わりの日です。
会社の決算が6月末ということもあり、
僕たちは毎年この日を、スムースの「大晦日」と呼んでいます。
一年を振り返り、翌日から始まる新しい一年に向けて、
自分たちがどこへ進むのかを言葉にする日。
今年も、いつもの草津ボストンホテルで、経営方針発表会を開催しました。
この日のために、2、3か月前から準備を重ねてきました。
社員やパートスタッフだけではありません。
大工さん、職人さん、設計や広報を支えてくださるパートナーの皆さん、
取引会社、銀行、司法書士の先生、相続や不動産に関わってくださる方々。
スムースの仕事を一緒につくってくださっている皆さんに集まっていただきました。
家は、一人ではつくれません。
会社も、同じです。
改めて会場を見渡すと、これだけ多くの人の力に支えられて、今のスムースがあるのだと感じます。
まずは、感謝しかありません。

経営方針とは、未来への約束
経営方針発表と聞くと、売上や利益の数字を発表する、少し堅い会を想像されるかもしれません。
もちろん、数字も発表します。
会社として責任を持って仕事を続けるためには、数字から逃げることはできません。
でも、僕たちがこの日に一番大切にしているのは、
「スムースは、何のために存在しているのか」
「これから、誰のために、どんな会社になっていくのか」
を、みんなで確認することです。
数字は目的ではありません。
未来へ進むために必要なものです。
人を育てる。
技術を残す。
お客様に安心してもらえる仕組みをつくる。
職人さんたちが誇りを持って仕事を続けられる環境をつくる。
建てた後も、オーナーさんと付き合い続ける。
利益は、その未来を守るために必要なものだと考えています。

20年続けてきて、ようやく見えたこと
スムースは今年、丸20年を迎えます。
僕自身、この業界に入って35年になります。
長く続けてきたからこそ、順調な時ばかりではありませんでした。
売上が上がらない。
利益が残らない。
人が辞める。
未来が見えない。
そんな苦しかった時期もありました。
以前の僕は、着工棟数が減ったから、材料が高くなったから、
人が採用できないからと、外に原因を探していたのだと思います。
でも、本当は違いました。
原因は市場ではなく、自分たちの在り方にあった。
もっと言えば、僕自身の在り方にありました。
何のために会社を経営するのか。
何のために家をつくるのか。
誰の幸せをつくりたいのか。
そこが曖昧なまま、数字や棟数ばかりを追っていたのだと思います。
どこか、人比べたり、どこかの会社と比較したり
そうは言っても当時から、ちゃんと「想い」を持ってやって来ていたと思います。
頭では理解していますが、身体から湧き出る感覚までは無かったかもしれません。
在り方が変わると、選択が変わります。
たくさん建てることより、目の前の一棟に深く向き合う。
人を増やすことより、仕組みを整え、一人ひとりの力を生かす。
何でも自社で抱えることより、信頼できる専門家とつながる。
価格で選ばれることより、価値で選ばれる。
僕たちは、住宅会社として大きくなることを目指すのではなく、
家族の幸せづくりと共にして生きる
ことを決めました。

家を売る会社ではなく、ふるさとを育てる会社へ
今回、僕が発表した中期経営方針の中心にあるのは、
「ふるさとを、未来へ。」
という考えです。
スムースのミッションは、
居場所がふるさととなり、家族の絆を育む。です。
ふるさとは、単に生まれ育った土地ではありません。
自分らしくいられる場所。
疲れて帰った時に、心が戻ってくる場所。
家族がそれぞれの時間を過ごしながらも、どこかでつながっていられる場所。
その積み重ねが、その家族にとってのふるさとになると考えています。
だから、僕たちの家づくりは、間取りから始まりません。
性能や価格の比較だけからも始まりません。
まず、
どんな人生を送りたいのか。
どんな家族でありたいのか。
何を大切に守っていきたいのか。
そこを一緒に言葉にすることから始めます。
家をつくる前に、家族の軸をつくる。
その軸をもとに居場所を設計し、住まいをつくる。
完成した後は、オーナー同士がつながり、
相続や資産も含めて、そのふるさとを次の世代へつないでいく。
家を建てて終わりではなく、
建ててから始まる会社でありたい。
今回の方針発表では、その未来を明確にしました。

社員が、自分の言葉で話す意味
僕の発表の後は、各部署の社員が方針を発表しました。
住宅事業部は佐村くん。
建築部門は山本くん。
不動産部門は阪口くん。
相続部門は松山さん。
僕が社員に求めたのは、会社の数字を読み上げることではありません。
自分の軸と、スムースのミッションを重ねて話すことです。
「自分は、なぜこの仕事をしているのか」
「この仕事を通して、誰を幸せにしたいのか」
「何を未来に残したいのか」
そこまで掘り下げて発表してもらいました。
大事なのは、自分の軸です。
山本くんの発表の中にこんな言葉がありました。
彼は、自分の幼少期や仕事を選んだ理由まで振り返り、
「建築は、人を幸せにする仕事」
という自分の軸を発表しました。
家は、単なる建物ではない。
家族の思い出を育み、人生を支える場所である。
だから住まいを通して人を幸せにし、日本の建築文化を未来へつないでいきたい。
その言葉を聞きながら、少し嬉しくなりました。
経営方針は、僕が社員に命令するためのものではありません。
一人ひとりが自分の人生と仕事を重ね、
「自分はこの会社で、何を実現したいのか」
を考える場でもあります。
社員の成長は、会社の成長です。
それぞれの想いが重なった時、スムースの家づくりは、もっと深いものになると思っています。

頑張る人に頼る会社から、仕組みで支える会社へ
今の建築業界には、さまざまな課題があります。
職人不足。
技術を受け継ぐ若い人の減少。
資材価格の高騰。
働き方の変化。
これまでのように、
社長が頑張る。
一部の社員が頑張る。
ベテラン職人が何とかする。
現場で帳尻を合わせる。
そんなやり方では、長く続きません。
誰かの犠牲の上に成り立つ家づくりでは、
お客様を本当の意味で幸せにすることもできないと思います。
だから21期は、
頑張る人に頼る会社から、仕組みで支える会社へ。
変わっていきます。
ただ、効率だけを求めるわけではありません。
僕たちが仕組みを整える理由は、
もっとお客様と向き合う時間を増やすためです。
家族の話を聞く時間。
迷いに寄り添う時間。
職人さんと細部を考える時間。
完成した後も関係を育てる時間。
本当に大切なことへ、もっと時間を使える会社にするためです。

オーナーさんとの関係は、建てた後から深くなる
住宅事業部では、オーナーさんとのつながりを、
これまで以上に大切にしていきます。
スムフェスや友の会の活動。
定期的な情報発信。
暮らしやメンテナンスの相談。
オーナーさん同士がつながる機会。
それを続けていきます。
紹介を増やすことも目標の一つに掲げていますが、
紹介だけを目的にしているわけではありません。
建てた後も、
「スムースで建てて良かった」
と思い続けてもらえること。
困った時に、顔が浮かぶ会社であること。
家族の変化や成長を、一緒に見守れる関係であること。
その関係性の結果として、大切な友人や家族をご紹介いただけたら、それほど嬉しいことはありません。
僕たちが育てたいのは、顧客名簿ではなく、
人と人との関係資産
なのだと思います。

相続も不動産も、ふるさとを守るために
スムースグループには、住宅事業だけでなく、BATONの相続・不動産事業があります。
なぜ住宅会社が相続まで行うのか。
それは、家を建てる時だけが家族の節目ではないからです。
親から子へ、家や土地を引き継ぐ時。
空き家になった家をどうするか考える時。
使われなくなった土地を、次へどうつなぐか考える時。
そこにも、家族の想いがあります。
相続を家族の幸せづくりの延長なのです。
子供たちに不安なものを残したくない。
使われなくなった土地を、負動産のままにしない。
実家の事が心配。
専門家と力を合わせながら、家族の想いを未来へつなぐ。
これも、スムースが考えるふるさとづくりの一部です。

一棟の家から、ふるさとの風景へ
今回の発表では、さらに先の未来も共有しました。
一軒の家だけではなく、
スムースの家が庭や道でゆるやかにつながり、
子どもたちが共通の庭で遊び、
住人同士がほどよい距離感で支え合い、
作家さんの小さな店や工房もある。
そんな小さな集落、
スムースヴィレッジ
の構想です。
すぐにできる話ではありません。
まずは一棟から。
一つずつ検証しながら進めていきます。
でも、僕たちがつくりたいのは、建物が並ぶ分譲地ではありません。
何十年後に振り返った時、
「あの風景が、自分のふるさとだった」
と思える場所です。
一棟の家から、ふるさとの風景へ。
僕たちの挑戦は、そこへ向かっています。

この日、改めて思ったこと
発表を終え、社員や職人さん、パートナーの皆さんの顔を見ながら、改めて思いました。
会社は、社長一人のものではありません。
一緒に働く社員がいて、
現場を支える職人さんがいて、
専門家の皆さんがいて、
そして、僕たちを信じて家づくりを任せてくださるオーナーさんがいる。
そのつながりの中に、スムースがあります。
経営方針は、会社のためだけの計画ではありません。
オーナーさんの家を守り続けるための約束であり、
これから出会うご家族の未来に向き合うための約束であり、
スムースという会社を次の世代へ残すための約束です。
6月30日。
スムースにとっての大晦日。
また、新しい一年が始まります。
大きなことを言うだけではなく、
一つずつ、確実に。
目の前のご家族に向き合い、
居場所をつくり、
ふるさとを育てていく。
21期も、スムースらしく歩んでいきたいと思います。
ふるさとを、未来へ。
ICHIKAWA
滋賀県草津市・大津市・守山市を中心に注文住宅を手がける工務店として、
「思想」と「人」を大切にした家づくりを続けていきます。


